NEC(日本電気)の特徴
事業内容と特徴
NEC(日本電気)は誰もが知っている日本の電気メーカーです。
あまり知られていませんが住友系の企業です。
メーカーと聞くと、パソコンや家電を作って売っているイメージがありますが、NECは実態としてはSIerです。
日本の大企業や官公庁に向けて、システムインテグレーションサービスを提供しています。
平たく言うと業務システムをオーダーメイドで作っているということですね。
差別化の難しいSIer業界ですが、NECは古くからある伝統的日本企業ということで、官公庁向けの案件が多いです。
特に、自衛隊向けの防衛システムを一番多く受注しているのはNECのため、三菱重工業・川崎重工業・三菱電機と並んで四大軍需企業とも言えます。
ちなみに、中小企業向けのシステムインテグレーションは子会社のNECソリューションイノベータが担当しています。
その他、航空宇宙分野を専門的に担当しているNEC航空宇宙システムという子会社もあるように、NEC系の子会社、関連会社の数は非常に多いです。
「NEC本体を狙うのは難しい……」という方でも、子会社なら十分射程圏内です。
ちなみに私はOfferBoxを通してNECソリューションイノベータと接触することができました!
個別面談で業界理解を深めることができた他、第一志望の場合は早期選考に招待してもらえるようです。
OfferBoxを活用すれば説明会等が実施されていない期間でも接触できる可能性があるので便利ですね。
また、勘違いしやすいですが、NECのPCであるLAVIEはNEC本体の管轄ではありませんので、「パソコンを作りたい売りたい」という志望動機はやめましょう。
PC事業に関しては、レノボとの合弁会社であるNEC・レノボジャパンという会社の子会社であるNECパーソナルコンピュータが管轄しています。
実際はレノボのパソコンにNECのシールを貼っただけと揶揄されているので、誤解しないよう気をつけましょう。
将来性
売上は3兆円弱あり(全盛期は5兆円くらいありましたが)、日系225構成銘柄でもあるため、世間や親からの評判の良さは一定以上を見込めるでしょう。
しかしながら、NECは非常に今苦戦しています。
NECや富士通といった企業は、「メーカー系SIer」と呼ばれ、システムと併せて自社のサーバーを納品することで売上を維持してきました。
今ではAWS等、クラウドで業務システムを導入することが増えたため、「(値段が)高い・(導入までが)遅い・(柔軟性が)低い」の三重苦が揃ったSIerは売上を維持できなくなってきています。
そして、売上以上に大事と言っても過言ではない利益率に関しても、NECは群を抜いて低いです。
利益率が3%未満というのは非常にまずい状態です。
同じSIerでも利益率が10%近くある企業が存在するのに、これだけ低い利益率のまま改善が見られないということは何かしら社内体制の問題が放置されているということです。
上流工程のスキルを身につけてITコンサルに脱出(転職)というようなキャリアプランを事前に描けていないのなら、不定期に行われる大量リストラで路頭に迷う可能性が高まるのではないでしょうか。
ただし、NECは顔認証技術で世界トップクラスであったり、前述の通り防衛産業にも関わっている企業です。
規模は縮小するかもしれませんが、NECという会社そのものが消え去ることはないのではないでしょうか。
勤務地、年収、福利厚生
勤務地
本社は港区の三田駅近くにあります。
本社近くのオフィスビルには相当数のNECの事業所が入居しているようです。
また、人事部等が出向するNECマネジメントパートナーは川崎(武蔵小杉)にあります。
その他、全国に支社・支店があるため、勤務地は日本全国どこでもあるといっても過言ではないでしょう。
年収、福利厚生
平均年収は800万円前後です。
30歳で650万円、40歳で900万円程度が見込まれます。課長以上は1000万円を超えを狙えますが、大企業にありがちな上が詰まっている状況なので年々昇格は難しくなっていっているでしょう。
福利厚生に関しては、大企業なので一通り揃っているようです。
独身寮や社宅、年齢制限はあるものの月4万円程度(加齢とともに下がる)の家賃補助などがあるようです。
NECの選考フロー
通常ルート
- 説明会
- ES、テストセンター
- GD
- 一次面接
- 最終面接
文系の場合、任意参加の説明会及び座談会に参加した後ESとテストセンターを提出し、GD→面接→面接と選考が進むオーソドックスな形です。
とにかく奇抜な選考内容ではないので、真面目に選考対策をしたかしていないかで決まります。
ESの設問は
- 学生時代、最も一生懸命取り組んだことは何ですか?またその取り組みの過程でどのような経験をし、どのように成長したかお聞かせください。(400文字以内)
- あなたが当社で実現したいことをお聞かせください。またそれを実現するためには何が必要か、ご自身のお考えをお聞かせください。(400文字以内)
といったようなものが出ています。NECがどんな企業でどんな役割を求められるのかということから逆算して書けるようにしましょう。
ESに不安のある方はこちらでどうぞ。
早期選考ルート
- 社員面談1
- ES、テストセンター
- 社員面談2
- 一次面接
- 最終面接
一定以上の大学の人に案内が来る、「社員面談」を攻略することで早期選考ルートに乗ることができます。
社員面談以外に、インターンに参加することでも早期選考ルートに乗れるようです。
タイミング的には、誰でも参加できる座談会の前らへんに社員と面談しないか案内が来ます。
もちろん選考ということは言われず、疑問解消の手助けという名目です。
そこで日常会話のように聞かれる志望動機やガクチカでしっかりとした受け答えができ、NECへの志望度の高さが伝われば二回目の社員面談の案内がメールできます。
二回目の社員面談は「志望動機や自己PRのブラッシュアップの手伝い」というあからさまな名目です。
普通の選考のように質問がされるので、ここでもしっかり受け答えが出来ればGDを免除された早期選考ルートに案内されます。
早期選考ルートでは、経団連の就活ルールが健在していた時期でも4月中に内定が出るため、非常にスピーディーでした。
ちなみに、通常ルートのGDは早期選考ルートの内定が出揃った後にようやく実施されるため、早期選考ルートはかなり有利です。
NECの学歴、難易度
NECは落ち目ではありますが、ある程度の人気は維持しています。
地方の非旧帝国立大学からの採用も確認されているので、幅広い学歴から採用していると思います。
学歴の高さというより、業務への理解と真面目な社風へのマッチが重視されているため、一概に難易度は設定できません。
能力的にはコンサル系のSIer(野村総研など)よりは1.5ランクくらい落ちていても問題ないという見方もできます。
まとめ
NEC(日本電気)は、苦戦を強いられてはいますがメーカー系SIerとして日本有数の企業でもあります。
早期選考を攻略し、内定の獲得を狙ってみてはいかがでしょうか。