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【就活】「人の役に立ちたい」という就活の軸は落ちる理由

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はじめに

エントリーシートや面接の定番質問としてよく聞かれるのが、「就活の軸」です。

既に面接を経験されている方は、一回くらいは訊かれたのではないでしょうか。

就活の軸とは、読んで字の如く、志望企業群の選定根拠です。
表向きには、全ての就活生には確固たる芯があり、ある基準に基づくと一人の就活生が受ける企業はおおよそ全て似たような企業になるという共通理解があります。

特に考えもなく、人気企業ランキングの上から順に受けていくような就活生は「ミーハー就活生」と呼ばれ、企業が最も避ける人種の一つとなっています。

そのため、企業は選考のどこかのタイミングで「就活の軸」を問い、「この就活生はネームバリューとかではなく、しっかり考えて弊社を受けてくれた」ということを確認したいわけです。

しかしながら、就活生(特に文系)の中にはある程度ネームバリューも加味して、志望する企業群がかなりバラけている人も多いです。
(ある意味、「ネームバリューがある」が就活の軸になっていますが、それを面接で答えるわけにはいきません)

そのため、なんとか自分の受けている企業の共通点を探し、「人の役に立ちたい」のような無難な就活の軸を答えてしまいがちです。

例に挙げた「人の役に立ちたい」は素晴らしい心意気ですが、これではなぜ落ちるのでしょうか。

「就活の軸」を答える際の注意点をまとめていきます。

(本記事は、冒頭に挙げた「ミーハー就活生」を批判する意図はありません。むしろ新卒一括採用ではある程度仕方ないと思っています)

「就活の軸:人の役に立ちたい」はなぜダメなのか

結論から言うと、「無難すぎる」からです。

自分の受けてる業界や企業規模がバラけるほど、共通点が少なくなってしまうため、超薄味の無難な回答になります。

企業は「就活の軸」を通して、就活生の目指す方向性を確かめたいのに、無難すぎるとそれが確認できません。
極論、質問に答えていないとすら言えます。

根本的に、「人の役に立ちたい」という類の軸の問題点として、「人の役に立たない」企業ってどれだけ存在しているんでしょうか。

どの企業も新規に人を採用するくらいには、売上や利益が出ています。
その売上は、湧いて出てきたのではなく、消費者や他企業に製品/サービスを購入していただいた結果です。

つまり、お金をもらっている以上、どの企業も何らかの形で人の役に立っているということになります。
(もちろん反社会的な活動で利益を上げる企業もありますが、一般の就活市場から考えると例外中の例外です)

「人の役に立ちたい」という軸に続けて、具体的な話をできるならば別ですが、そうでないなら全くもって軸として機能していないことがおわかりいただけたでしょうか。

就活の軸の構成の仕方

では、より説得力のある就活の軸を作り上げるためには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
以下にまとめました。

1.業界タイプを知る

自分の受ける業界が、どのタイプに属しているかを明確にします。
業界タイプは3つです。

  • ライフライン型
  • ソリューション型
  • エンタメ型

もちろん、複数のタイプにまたがる業界もあるので、完璧なMECEにはなっていませんが、概ねこの3タイプに分けられます。

ライフライン型は、電力会社や鉄道会社といった生活に必要なインフラを提供する会社です。
ライフライン型の企業が無くなると、現代の文化的な生活が破綻します。
国の要となる業界であるため、「今あるものをこれからも」という安定した性格も求められます(もちろん各社とも新規領域に参入してますが、それは本業の維持があってこそです)。
分類の難しい素材系や生活必需品メーカー系も広義ではこちらに含まれると思います。
(この3分類の欠点は、なんだかんだライフライン型の企業数が膨れ上がってしまうことにあるのかもしれません)

ソリューション型は、他企業や一般消費者の課題解決を行うことによって報酬を得る会社です。
コンサルタント等の専門職はこちらに分類されます。
また、業務の効率性を上げるソフトウェア企業や、人材を通して企業の成長に寄与する人材サービス系もこちらに分類されます。

エンタメ型は、本やテレビ、インターネットを通して娯楽を提供する会社です。
ライフライン型とは違い、エンタメ型の企業がなくなったところで生活は破綻しません。
人々が一番最後にお金を使う分野であるため、エンタメ型の企業は人々の心を掴む求心力が必要になります。
本・映画・テレビ・アニメはもちろん、おもちゃメーカーや高付加価値型の家電を作るメーカーもこちらに分類されます。
また、マスメディア業界は、バラエティはエンタメ型、報道はライフライン型寄りという点には注意が必要です。

2.「何をどうしたいのか」を最低限盛り込む

就活の軸の回答は、ざっくりと「何を通して何をどうしたいのか」を述べなければなりません。

例えば電力会社を受ける場合、「インフラの安定供給を通して、世界トップクラスの快適な生活を維持したい。その中でも電力会社を志望するのは、機械化の進んだ現代において最も生活に直結するのは電気だからだ」
みたいな感じになります。もちろん、熱い思いがあるならばそれを述べるべきですが、ここまで書けてやっと「無難すぎる」から「無難」にランクアップできます。

また、よくあるNG例ですが、「自己成長した」を全面的に押し出した軸はだめです。
ベンチャー企業やコンサルを受ける就活生にありがちですが、会社は自己成長のための学校ではありません。
自己中心的な姿勢がにじみ出ている場合、通過は難しいでしょう。

3.就活の軸を複数用意する

就活の軸と聞くと、1つしか用意してはいけないような気がしてくる方もいると思います。
本来は、それが理想なのは言うまでもありません。

しかし、新卒一括採用では、十分に業界を絞ることができず、ある程度ネームバリューも頼りに受ける企業を決めるのも仕方ありません。
そうなってくると、業界がバラバラになり、上のエンタメ型とライフライン型を併願するような真逆の組み合わせも十分にあり得ます。

そうなったときに、律儀に就活の軸を一つにまとめようとすると、浅い部分でしか共通点を探ることができず、まともな就活の軸を書けなくなります。

それの対策として、思い切って就活の軸は複数用意してみてください。
エンタメ型を受けるときの就活の軸はこれ、ソリューション型を受けるときはこれ、と決めておくと、説得力のある回答ができるようになると思います。

就活の軸の本来の目的からは逸れてしまいますが、結局は内定を取れるか取れないかが一番重要です。
就活の軸を複数用意するというある種の矛盾した行為をしたくない方は、受ける業界をしっかり絞りましょう。

番外編:本音と建て前の使い分け

就活の軸とは企業選びの軸です。
企業選びをする際に、条件面での絞り込みをかけるのは普通のことです。

企業規模、平均年収、勤務地、転勤範囲、福利厚生、勤続年数、残業時間などなど。

当たり前ですが、これらの条件面での絞り込みは、選考において表に出さないようにしましょう。
馬鹿正直に全部話す必要はありません。

「就活の軸と言われても、年収1000万ならどこでもいい……」
こういう方もいるかもしれません。
でも、高給ならどこでもいいと言いつつ、受けていない高年収企業もありますよね?
なぜ、その企業がいいかを言語化できないなら、なぜあの企業は高給なのに受けなかったのかを一旦考えてみるといいかもしれません。

誰だって、条件の良い企業に入りたいです。
そして、就活の軸で聞かれるのは、「その条件面を突破した企業群の中で、なぜ受ける企業と受けない企業があるのですか」というところというわけです。

まとめ

就活の軸は必ず聞かれる定番質問ですが、しっくりくる回答をするには準備が必要です。
「人の役に立ちたい」という就活の軸がなぜだめか、わかったでしょうか。

就活の軸を聞かれていつも適当にやり過ごしているという方は、一回時間を取って整理してみましょう。

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